第三十二回 続・志らく百席@横浜にぎわい座
・立川志獅丸 「ざるや」
この方、安定して面白い。正直に言うと、志らくの前にやったものはたいていぶっ飛んでしまうので、頑張って思い出しました。
・立川志らく「道灌」
立川流で一番最初にやる前座噺だそうです。
次にクレイジーな「疝気の虫」をやりますから、これは普通に…と前置きしながら、全然普通じゃなくて、楽しかった。
御隠居さんの家に飾ってある絵の話で、モナリザや、ムンクの「叫び」や、岸田劉生の「麗子像」まで登場。
落語本筋のオチもスカッと面白かった。
・立川志らく「疝気の虫」
去年11月の「志らくのピン」で初めて聴きました。同じ人が同じ噺をやるのを短い間隔で聴く、というのは初めてかもしれません。
やっぱり、一回目の衝撃よりは少し薄まってしまう。でも、声に出して笑うくらいおかしいことは確かです。
♪インド人の猿股 ネトネトするよ♪は、疝気の虫達のなかでまだ流行中でした。
中入り
この手の噺は、元を知らないとわからないし、つまらないでしょう。
談志が大いに観客を沸かせた時代と現代では、認知度が天地ほど違う。
なので、一くさりごとに、解説のような脱線のような話を入れて、又、元に戻してました。
そのやり方は、悪くはないけれど、スッキリとはしなかったなぁ。
全部面白いことは面白い。(年代的に、志らくさんと同い年の私にわかっても、今の20代の人にはわからないだろうという部分もありました。)
演劇「子午線の祀り」を野村萬斎がやった時に、その原作(木下順二)を読み、平家物語の解説本や原文も読んだので、「あ、そこで止まらないで、続けてやって!」と何度か思いました。私の好きな能、狂言にも平家物語を題材にしたものが沢山あるし。
それにしても、平敦盛と熊谷直実のあのシーンが登場する落語(今は誰もやらないとのこと)があるとは!しかも、敦盛は直美に「カマも掘られて、首も切られた」ストーリーに唖然とし、落語って凄いと思いました。