落語を聴いた日

ナマで落語を聴いた日の覚書と、落語に関係するあれこれについて書きます。

志らく極楽寄席@草月ホール

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年表


立川志らく三十周年記念第二弾 高田文夫プロデュース「志らく極楽寄席」に行って来ました。

演目

・漫才  100W(ひゃくわっと)

・コント  アンガールズ

初体験。嫌ではないけれど、もう一回見に行こうとは思いませんでした。あしからず。

・落語「子別れ」 立川志らく 

ネットで検索すると「長いので上・中・下に分けて演じられる」と載っていました。上の部分をコンパクトにまとめて、最後まで行った感じでしょうか。“落語とは人間の業の肯定である”とは談志の有名な言葉ですが、今日の志らくの噺はぽろぽろ3粒くらい涙が出ました。酒と女が原因で、離縁状まで書いて別れた夫婦ですが、実は3年たっても相思相愛、3日に1度は夢に出てきたり、母親は引き取った一人息子に父親の話をしたり。そこに幸運が重なって父と息子が再会します。「子は鎹(かすがい)」、9歳の亀吉(大人びているが最後は嬉し泣きするような子なんです)が仲を取り持ち元の鞘に戻るストーリー。時々、八百屋が横で話を聞いて、いろいろ言うのがまたおもしろい。こんなうまく行くことあるかな?とも思いましたが、純愛は美しい。また、父親に小遣い50銭もらったのを口止めされた亀吉に、母親が貧乏していても(何しろ3畳に二人暮らし)人様のお金を盗むなんてとんでもない、どういう訳か言わないと玄能(先のとがっていない金槌)でぶつよ!と迫る辺りの愛情表現。堪らないです。今日も志らくさんに泣かされました。

 

休憩

スペシャトーク 立川志らく高田文夫倍賞千恵子

志らくは、山田洋次監督が認めた「寅さん博士」なんです。さくら役で出演した倍賞さんの知らないことも知っている。台詞もかなり覚えている。映画の第1作から最後の第48作まで、一日一本づつ連続して見た事もあるそうです。今日のテーマはこれです。

私は20代の何年かは毎年見てました。満男(吉岡秀隆)と泉(後藤久美子)の恋物語のあたりとか、覚えてます。そのころまでは年2回制作されてました。倍賞千恵子さんといえば、去年上映された「小さいおうち」で見事に頑固なおばあさんを演じてましたね。この映画が志らくが選ぶ、「男はつらいよ」以外の倍賞千恵子出演映画ベスト3に入っていて嬉しかった。

高田文夫が突っ込み過ぎで、志らくの喋るスキが少なかったのはやや不満。でも、志らくが「僕のもう一人の師匠です」と言うくらいの方なので、仕方ないかな。凄い65歳ですね。

最後に、志らくブルースハープで伴奏し、倍賞さんが「さくらのバラード」を歌って終了しました。

ロビーには30年の歩みの展示もありました。

 

この会とはあまり関係ありませんが、志らくツイッターで“千ツイート169番。どんな内容だったか忘れてしまったが凄いという印象だけ残っている映画。グレック・アラキの「ノーウエア」とテオ・アンゲロプロスの「永遠と一日」。それと「エコール」。”と書いていて、「おっ!『永遠と一日』だ♪」と思いました。わたし、好きなんですこの映画。