落語を聴いた日

ナマで落語を聴いた日の覚書と、落語に関係するあれこれについて書きます。

1/19 立川志らく落語大全集~談志十八番の巻~@国立演芸場

1月19日

開口一番 「新聞記事」 立川らく者 売れない役者を10年やって入門したので役者の者を取って"らく者"です。とのこと。そういう事前情報を話すのは吉なのか凶なのか。とにかく、人に見られることは慣れている感じがしました。

「代書屋」 立川志らく あらかじめご自分で"卑怯な手を使います"と言っていたのは、次の「五人廻し」にも出て来た、浪速で商人やってるアメリカ人のことかな。「金明竹」に登場し、有名な人ですね。でも楽しい。 当日配布のリーフレットに、枝雀師匠の「代書屋」みたいには出来ない、と書いてありました。私は大阪出身なので、米朝枝雀もこどもの頃からテレビで知っていましたが、動画ですがちゃんと落語を聴いたのはこの数年。確かに枝雀の「代書屋」はおもしろい。志らくだと、「二行抹消!」という代書屋の堅物で困って怒る感じが弱い。

「五人廻し」 立川志らく 花魁の喜瀬川は売れっ子で、客から客へ回らなければならないけれど、上客の杢兵衛(もくべえ)大尽とずっと一緒にいて動いてくれない。待ちくたびれた客が店の者(喜助)をみつけ、喜助が弁解して回る噺。「蘇州夜曲」、「米国の国歌」のメロディで君が代を歌うシーンは志らくならでは!(後者は松元ヒロさんもやっていますが、どちらかがパクッた訳ではなく、自然発生的にそうなったとのこと。)  物真似とか、人名とか、20代の人にはわからないだろうなぁという部分もいろいろありました。私も春風亭柳昇(ですよね?)のふわふわっとした喋り方はわかっても、金馬はわかりませんでした。赤尾敏がどんな人物なのかは知ってます。 

ドラマ「赤めだか」の話題はどの噺にも出て来たかな。私も年末に見ました。最後に「このドラマはフィクションで実在する団体、個人とは云々」という文章が出たので、これはニノが爽やかに談春を演じるドラマと思えば良いのです。でも、前座4人のその後にも触れていて、志らく談春を抜いて真打になったことも出て来る。これは事実ですから、あれ?ちょっと矛盾するよなぁ…とも思いました。これはドラマの感想。

備忘メモとして。一人目:通常版、二人目:右翼、三人目:落語家物真似、四人目:例のアメリカ人、五人目:杢兵衛、でした。

中入り

源平盛衰記」 立川志らく 志らくさんの袴姿は初めて見たかも。座布団も純白のになってました。会場に着いた頃に、ふと思い出した。那須与一のくだり、自分が今年に入ってから能楽堂野村萬斎のアイで見た(聴いた)こと。でも、能と落語は別ですから、いいや。もちろん、談志の録音物も聴いてます。ストーリーを進めながら、合間にいろいろな話題が入って来て面白かった。で、ちゃんと本筋に戻ります。一番面白かったのは、「ここから講談に入ります」と言って語り始め、腿をパパンパンパンと叩いて「痛ぇ」と言ったところ。(皇室のキコさんも同じ言葉をこぼした話題が、どこかで出てました。)木曽義仲が京に入って乱暴狼藉のくだりでは、ずっと前に狂言「猫間」見た事思い出しました。確か、茂山七五三(しげやま・しめ)さんで、座った姿勢から真後ろに倒れるの凄かった。敦盛のくだりも、壇ノ浦での平家没落のくだりも、能楽や演劇「子午線の祀り」で見たものとの違いが返って楽しかった。元を知っているのは良いことだ。漢詩は、あとからネットで調べてうろ覚えの裏づけ見つけました。鞭聲粛粛夜過河/鞭聲粛々夜河を過る(べんせいしゅくしゅく よるかわをわたる)ですね。鞭聲が弁慶にかけてある。