落語を聴いた日

ナマで落語を聴いた日の覚書と、落語に関係するあれこれについて書きます。

5/16 不幸の家族@小劇場B1(北沢タウンホール地下)

5月16日に行って来ました。
立川志らく作・演出、下町ダニーローズ第十八回公演の4回目の上演です。(上演日は5/14~5/29) 
昨年の「真景累ヶ淵殺人事件」、率直に言って私はとてもがっかりしたので、今年はどうかな?と思ってました。でも、志らくさんのツイッターなどの発言読んで、心底、観て欲しい!という気持ちが伝わって来たこと、冒頭に伝説の「談志・志ん朝の物真似で『笠碁』」をやること、で、やっぱり志らく好きだから予約して行きました。

直後の私のツイートです。
「私は少数派?全く泣かず。(落語では何度も泣いた事あり)最後のファンタジーに爆笑。場面転換時、役者は無機的に捌け、和装の前座さん達が舞台上の赤い箱を無駄なく時には左右対象に動かす。衣装は赤と対象的な黒シャツ+紋。舞台右手にはあ・う・んの銘の一升瓶等あり。」
「黒シャツのワンポイントに三蓋松(立川流)、古今亭菊志んの裏梅(ですよね?)と、ちゃんと紋になっていた。もう一種類あった気がするが、そこまで視力良くないので不明。衣装担当、酒井莉加、出演せず遺影写真で舞台上に参加。」
「視覚的にとてもスッキリした舞台だと思った。志らくさんの芝居を観るのは三年目。一番良かった。あ、冒頭の「笠碁」本編はもちろん、出囃子を生で初めて見 る事が出来て良かった。前日の?舞台の段差で足の親指骨折した前座さんが笛吹いてた。ヒシギで苦労されてたけど、あれは本職でも外す時は外す。」
「BGMで、日本的な曲と、バロック曲と流していたと思ったけれど、あれは誰の作品なのでしょうか?バロック曲(たぶん)が気になる。我が家のCD棚にあるかも。あと、ここに蛭子さんゲストで入ったらどうなるのか、興味津々。」これに志らくさんが返信ツイートしてくださって、
「私が日本的な曲、と思ったのが映画「暗黒街のふたり」(フィリップ・サルド)のテーマ、アルビノーニオーボエ協奏曲がありましたね。YouTubeでみつけました。」

この記事を公開するのは公演が全部終わってからですので、結末を書きます。
並河虎吉(モロ師岡)の3回忌。ぜんじろう演じる喬(たかし)(落語家。芸名は朝寝坊露志庵あさねぼうろしあん)が、飲み屋の客に扮してずっと観察していた権力側によって第3次世界大戦に召集されて行きます。既に徴兵制が確立されていて、政府に不平不満を持つ人間は最前線にやられる。…これで終わるかと思いきや!すぐに飲み屋の店主たちによって喬が連れ戻されます。彼等は実は伊賀流忍者の末裔で、喬は服部半蔵の子孫だというのです。服部半蔵の家系を断絶させる訳にはいかない。戦争に行かず、誰も探し出せない青木ヶ原の樹海(そこには1,000人くらい暮らしている)に身を隠そう! 
これに、大爆笑しました。まさに、落語だ。志らくが言っていたのはこういうことか。とても腑に落ちました。

※5月30日追記 「再演」という言葉がネットに上がっています。どうなるのでしょ?そして、8月には志らくの一人芝居「不幸の伊三郎」が上演されます。こちらは「不幸の家族」上演中にチラシ配布されていました。

キャスト:モロ師岡立川志らくぜんじろう、松元千秋、原武昭彦、古今亭菊志ん、「セツ子」はダブルキャストで奥村香里&田中絵梨、幸田友見、小林英樹、長谷川奈緒美、松尾マリヲ、上野G~

スタッフ:
作、演出 立川志らく 
舞台監督 亘理千草 
照明 鈴木章夫・伊藤ハナ 
音響 吉田望(ORANGE COYOTE) 
大道具 上野G~ 
撮影協力 テレコムスタッフ(株) 齋藤使恩 
スーパーアドバイザー 元祖爆笑王 
協力 (株)ワタナベエンターテインメント