落語を聴いた日

ナマで落語を聴いた日の覚書と、落語に関係するあれこれについて書きます。

12/21 立川流 孫弟子の会 「立川流が好きっ!!」@深川江戸資料館小劇場

私は立川流は「まぁ、好き」なんです。談志は大好きです。立川流の落語家の噺を聴いて、つまらないなぁと思ったことあります。他の流派は高座では殆ど聴いたことありません。CDでは聴きます。 また、落語界の仕組みにあまり関心はないです。能・狂言文楽などの古典芸能にも興味があるし、見に行きます。 でも、落語そのものは好きですね。落語を聴く様になって、生きるのがラクになった。

一、「真田小僧」 立川こはる 談春一門の二つ目さん。女性です。いつか聴いてみたいと思っていた人。というのも、2014年9月に談春独演会に初めて行った時、(弟子に厳しいという評判は聞いてましたが)「弟子は一人もいなくなった」と、開口一番から全部談春。めくり自体なかったし、高座返しも確かしなかった。でも、談春一門のこはる、の名前はネット上で見かけるし、フライヤーも出てる。厳しいなかでも、続けているこの人はどんな噺をするのか。父親の低音の声がビシッとキマっている一方、こまっしゃくれた息子のハジケっぷりが底抜けに明るい。息子が講談風に話すところは、見事。カッコ良かった。メリハリがきいている。さすが! うーん、もう一人の女性落語家で真田小僧聴いたことありますが、ハッキリ差がわかりました。

一、「人間っていいな」 立川志の太郎 志の輔門下の二つ目さん。出囃子が「にんげんっていいな」(まんが日本昔話のエンディング曲)でした、よね? これは新作落語で、人工知能により、入門から3日で真打昇進のロボット落語家が登場する噺。構成が緻密で実におもしろい。本編の前のマクラで、自分が落語家になってから家元・立川談志に会った時の思い出話。談志・生志親子会に前座として付き人になり、博多へ。帰路、フライトの待ち時間に、志の太郎の師匠が志の輔ではなく志らくだと勘違いした家元、いろんなエピソードを語る。(具体的な話は無し)「え?師匠(志の輔)ってそういう面があるんだ…」と驚いているうち、だんだん誤解だとわかり生志が訂正したそうです。そして家元は「鱒寿司は、うめぇな」と言ったそうです。爆笑。

一、「天災」 立川談吉 談志の最後の弟子ですが、没後は左談次門下へ移った二つ目さん。みっちり、たっぷり面白かったけれど、この会の時間配分としては長かったと思う。最後の志ら乃が高座に上がった時、ステージ右のデジタル時計が20時53分でしたから。

仲入り

一、「一人相撲」 立川吉笑 この企画の発起人で事務局的な立場にあるのがこの人のようです。談笑門下の二つ目さん。新作落語。さすがに、3ヶ月連続して同じ人の同じ噺を聴くと、新鮮な面白さは減少してしまいました。

一、「庭蟹」(にわかに) 立川寸志 44歳で談四楼に入門した二つ目さん。さらりとこの噺をやったのは人生経験の差か、出演者同士の話し合いでの判断か。はじめ、ん?洒落小町…いやいや違うぞ、主人と番頭の噺だから、なんだろう?初めて聴く噺でした。頭の固い主人が番頭に洒落を言ってくれと頼むが、洒落が全くわからないという筋。きっちり、すっきりでした。良かった。

一、「粗忽長屋」 立川志ら乃 志らく門下の真打です。談志の孫弟子で最初に真打昇進した人。ほぼマクラなしで、粗忽長屋とタイトルも告げて始まりました。私はこの人の迫力、熱量の大きさが好き。その一方で、力を抜くところは抜く。先月も同じ噺を聴いたけれど、少し足した部分もあり、おもしろかった。約17分。最後のお辞儀が実に綺麗でした。1月の志らく志ら乃親子会のチケット購入しました。