落語を聴いた日

ナマで落語を聴いた日の覚書と、落語に関係するあれこれについて書きます。

5/22 シネマ落語の会 天国から来たチャンピオン @北沢タウンホール地下一階 小劇場B1

5月22日
志らく一門会スペシャル企画です。この会場で「不幸の家族」を先週観たのですが、舞台の作りが変わってました。向かって右側の小道具が並んでいたスペースも客席にしたのかな?開演前、昼公演が終わって出てきた友人に会え、「良かったね!」と同じ感想持っていて嬉しかった。 
開演前、司会的に前に立った前座さんに芝居を観た人は?と言われて、私の見える範囲ではあまり手があがっていなかったのは意外でした。
昨年までなら、わかる!その気持ち。でも、今年は違いますよ。志らくツイッターで、蜷川幸雄さんの死去と一度役者としてオファーされたが独演会と重なるので事務所が断ってしまったという接点を書き、続けて "蜷川幸雄。どういう経緯で志らくがオファーを受けたのかはわからないが微かに蜷川幸雄と結ばれたのは事実。でも一度も私の芝居にお誘いしなかった。まだそ のレベルではないと思っていたから。今回はお誘い出来ると思います。まだまだではあるが私の気持は伝わるはず。「不幸の家族」明日初日 #蜷川幸雄" と書いています。

一、落語バトル
「権助魚」 立川らくぼ 
「芝居の喧嘩」 立川らく人 
結果的に3位だったんですが、スッキリしていて良かったと思う。
「ずっこけ」 立川志ら乃 
真打です。段違いに良かった。メリハリがきいていて気持ち良い。ちなみに、この噺の初演を5月8日に聴きました。終演後に掲示物を見ると、2位の1.5倍以上の票が入っていて圧勝。

一、「寝床」 立川志らく 
プログラムにはここで2席やるように掲載されてましたが、まさにこの旦那のごとく、タップリ、ぎっしりやったので、これで十分。熱量がすごくて、可笑しくて、楽しい。ガンモドキの製造法とか。 
志らくの落語は逃してはいけないと思い、6月の一門会のチケットを買いました。

仲入り

一、シネマ落語「天国から来たチャンピオン」 立川志らく 
昨年の秋、横浜で聴いた時もおもしろかった。
でも、少し前にDVDで映画を見ておいたので、細部の比較・対応がわかって、もっとおもしろくなった。志らくのこの映画への愛が、映画ファンとは言えない私にも少しわかった気がした。
そして、後半のあたりでグッと来てしまい、最後は泣いた。みなさん笑っていた様子だったけれど。純愛ストーリー。

5/16 不幸の家族@小劇場B1(北沢タウンホール地下)

5月16日に行って来ました。
立川志らく作・演出、下町ダニーローズ第十八回公演の4回目の上演です。(上演日は5/14~5/29) 
昨年の「真景累ヶ淵殺人事件」、率直に言って私はとてもがっかりしたので、今年はどうかな?と思ってました。でも、志らくさんのツイッターなどの発言読んで、心底、観て欲しい!という気持ちが伝わって来たこと、冒頭に伝説の「談志・志ん朝の物真似で『笠碁』」をやること、で、やっぱり志らく好きだから予約して行きました。

直後の私のツイートです。
「私は少数派?全く泣かず。(落語では何度も泣いた事あり)最後のファンタジーに爆笑。場面転換時、役者は無機的に捌け、和装の前座さん達が舞台上の赤い箱を無駄なく時には左右対象に動かす。衣装は赤と対象的な黒シャツ+紋。舞台右手にはあ・う・んの銘の一升瓶等あり。」
「黒シャツのワンポイントに三蓋松(立川流)、古今亭菊志んの裏梅(ですよね?)と、ちゃんと紋になっていた。もう一種類あった気がするが、そこまで視力良くないので不明。衣装担当、酒井莉加、出演せず遺影写真で舞台上に参加。」
「視覚的にとてもスッキリした舞台だと思った。志らくさんの芝居を観るのは三年目。一番良かった。あ、冒頭の「笠碁」本編はもちろん、出囃子を生で初めて見 る事が出来て良かった。前日の?舞台の段差で足の親指骨折した前座さんが笛吹いてた。ヒシギで苦労されてたけど、あれは本職でも外す時は外す。」
「BGMで、日本的な曲と、バロック曲と流していたと思ったけれど、あれは誰の作品なのでしょうか?バロック曲(たぶん)が気になる。我が家のCD棚にあるかも。あと、ここに蛭子さんゲストで入ったらどうなるのか、興味津々。」これに志らくさんが返信ツイートしてくださって、
「私が日本的な曲、と思ったのが映画「暗黒街のふたり」(フィリップ・サルド)のテーマ、アルビノーニオーボエ協奏曲がありましたね。YouTubeでみつけました。」

この記事を公開するのは公演が全部終わってからですので、結末を書きます。
並河虎吉(モロ師岡)の3回忌。ぜんじろう演じる喬(たかし)(落語家。芸名は朝寝坊露志庵あさねぼうろしあん)が、飲み屋の客に扮してずっと観察していた権力側によって第3次世界大戦に召集されて行きます。既に徴兵制が確立されていて、政府に不平不満を持つ人間は最前線にやられる。…これで終わるかと思いきや!すぐに飲み屋の店主たちによって喬が連れ戻されます。彼等は実は伊賀流忍者の末裔で、喬は服部半蔵の子孫だというのです。服部半蔵の家系を断絶させる訳にはいかない。戦争に行かず、誰も探し出せない青木ヶ原の樹海(そこには1,000人くらい暮らしている)に身を隠そう! 
これに、大爆笑しました。まさに、落語だ。志らくが言っていたのはこういうことか。とても腑に落ちました。

※5月30日追記 「再演」という言葉がネットに上がっています。どうなるのでしょ?そして、8月には志らくの一人芝居「不幸の伊三郎」が上演されます。こちらは「不幸の家族」上演中にチラシ配布されていました。

キャスト:モロ師岡立川志らくぜんじろう、松元千秋、原武昭彦、古今亭菊志ん、「セツ子」はダブルキャストで奥村香里&田中絵梨、幸田友見、小林英樹、長谷川奈緒美、松尾マリヲ、上野G~

スタッフ:
作、演出 立川志らく 
舞台監督 亘理千草 
照明 鈴木章夫・伊藤ハナ 
音響 吉田望(ORANGE COYOTE) 
大道具 上野G~ 
撮影協力 テレコムスタッフ(株) 齋藤使恩 
スーパーアドバイザー 元祖爆笑王 
協力 (株)ワタナベエンターテインメント

 

 

5/15 らくご錬金術 よんさん会@レフカダ新宿

5月15日

先週おもしろかったので、また行ってみました。大爆笑したのでも、ボロボロ泣いたのでもなく、「ああ、必死にやってるなぁ」と思っただけでもなく、とても好感が持てる噺でした。いい具合に(強過ぎず弱過ぎず) 気力が伝わってくる。

六尺棒」「大山詣り」「夢の酒」 立川志ら乃

ゲスト;瀧川鯉八 「?」 新作落語で、流れ板の清二が飛び降り自殺を止める噺。独特ですが、私の好みではないなぁ。

5/8 らくご錬金術 よんさん会@レフカダ新宿

5月8日

初めて行ってみました。  らくご錬金術の副題は【立川志ら乃 創作落語ネタ下ろしの会@レフカダ新宿】ですが、5月は怒涛の4週連続3席古典落語ネタ下ろし、だそうです。  私は古典落語の方が好きなので、この機会にと思って。なのにすみません、遅刻したので一席目は終盤から聴きました。

「ずっこけ」  立川志ら乃   すっかり酔っ払った男が、塀の外側は皆んなのものだ!と用を足すあたりから。

口調に勢いがあって下品に(あまり)ならないところが好きです。森下仁丹の広告の絵、充分わかりますよ。でも20代の若者は知らないのかな。

ネタ下ろしとはその落語家にとっての初演ということですよね。確かに毎週3席、計12席を仕上げるのは大変でしょう。この方には、追い込まれて発揮する力があるのだと思う。まだ1週目ですが。

「蛙茶番」(かわずちゃばん)    立川志ら乃     素人芝居を題材にした噺です。おもしろかったけど、シモネタのところは余りケラケラ笑ってもなぁ、と控え目に笑いました。箸が転げても可笑しい年齢ではないので。

中入り

「  ?   」  昔昔亭A太郎(せきせきていえーたろう)    新作落語。こういう感じが現代の若者に受ける笑いなのかも。

「夢金」    立川志ら乃    タイトルそのものがオチをあらわしている古典落語で、最後はわかっているけどおもしろかった。フライヤーに「攻めの初夏!」と載っていました。まさに攻めてます。

5/2 第三回「新・志らく百席」@横浜にぎわい座

5月2日

開口一番 「千早ふる」 立川志ら鈴 このタイトルは今、コミック、アニメ映画上映と話題になっているし、元々とても有名な噺ですね。 私は最初に百人一首の歌として知ったので、「ちはやぶる」と読みたくなります。 そして、"知ったかぶり"がテーマなので、事前発表されている志らくの「手紙無筆」と被る。似た感じになってしまうので、避けるべきなのに…と、後で志らくが言ってました。まぁ、仕方ない。噺の流れは良い感じで行って、37歳から前座で云々とご自分のことをチラッと言ったところが一番おもしろかった。でも、竜田川は力士なのに、竜田太夫と最後まで言っていたのは残念。というか、不思議でした。気付いていたのかどうか。竜田太夫という言い方もアリなのでしょうか?

「手紙無筆」 立川志らく という訳で、続いて、字が読めないのに読める!と言い張ってむちゃくちゃを言う男の噺。発信側と受信側、あとは会場やら何やらの全体が絡み合ったのか、とても充実してました。次の噺も良かったので、休憩時間に6月のチケット買いに走ったくらい(笑) 読めないのに読める言い訳で、俺は鳥目だ、今は昼です、みみずくの鳥目だ、がヒット!でしたね。最後には手紙取り上げて、めぇ~と鳴きながら呑み込んでしまう。素晴らしい。

「小言幸兵衛」 立川志らく この噺は志らくさんで聴くのは2回目。1回目は、なんだか理屈っぽくてつまらないなぁと思った記憶があり。でも今夜は、幸兵衛(長屋の大家)の妄想炸裂が私の波長に合いました。この長屋に仕立て屋一家が引っ越してくると、向かいの古着屋のひとり娘と心中騒動になるからだめだ、と。飛び込む直前の金光教のお祈りの歌、志らくさん得意です。 ところで仕立て屋の息子の名前が「ぷよ」。赤ん坊の時ぷよぷよしてて可愛かったから。じゃあ、「ぷに」でも良いってことだよな…と私の妄想もふくらみました。(ぷに、といえば水野由結ちゃん。) 「逃~げ~たぁ」で始まる浪曲子守唄、もしかして知らないだろう若い人々も客席にいました。(チケット完売)

中入り

井戸の茶碗」 立川志らく これも志らくさんで2回目。正直者が三人そろうと大変になるという噺。貧乏とか、武士の意地とか、親子の情とかが絡むのですが、泣く噺ではなかった。(私は時と場合によってよく泣きます。)説教くさくならない。で、そうだなぁと腑に落ちて、笑うところが沢山あって、本当に楽しかった。勢いがありつつ、クレイジーではなくておもしろい。こういう志らくも良い。 談志と志ん朝の物まねで「笠碁」を下北沢でやります(元は、談志が機嫌損ねて独演会に1時間半遅刻(駅まで来て怒って帰った)、志らくは開口一番で15分「抜け雀」のあと4席目に上がったらお客が怒り出してその場で演じたそうです。)(下町ダニーローズ第18回公演(5/14~5/29)のことですね。)、新しくCD作りました、サインします等の宣伝コーナーを冒頭にやって良い雰囲気でした。終わってからやるより、この順番が良いと思う。 

4/24 第三十二回 鎌倉はなし会 立川志らく独演会@鎌倉芸術館

4月24日

開口一番   「権助魚」  立川志ら鈴

 

源平盛衰記」     立川志らく

ストーリーは進みつつ、脱線しても、また戻るところが素晴らしい!師匠談志、高座で、弁慶が牛若丸に「3分28秒テクニカルノックアウト!」と語ったけれど、ボクシングは1ラウンド3分なので間違えてます云々という話がありましたが、昭和43年2月の「第26回ひとり会」の録音に確かにそう入ってますね。(立川談志「ひとり会」落語CD全集/第十集を聴いていて発見。) 熊谷直実平敦盛のくだり、"カマを掘る"の意味を知らないお客さんもいたのかも?私は(現場は知りませんが(笑))知ってますよ。

中入り

 

「紺屋高尾」    立川志らく  前半、言い回しを省いたところが幾つかあったのは、高尾が紺屋の女房になってからをじっくり語りたかったのか。     かなり頻繁に笑いどころがありつつ、最後のシーンでは、やっぱり泣きました。いくら軽石で擦っても、爪の中の青い色が消えなくなって嬉しい、と高尾が言うんです。

二つとも志らくさんで聴いたことのある噺だったけれど、何回聴いても良いものは良い。

横浜ベイスターズの悪口をラジオで言った顚末、面白かった。それを大船で言う志らくは度胸あるね。

 

4/19 立川志らく落語大全集~クレージー落語特集~@国立演芸場

4月19日

開口一番 「世界の終わり」 立川がじら この秋に二つ目昇進披露会をやって、そこでO.Kもらえたら、二つ目昇進が本決定だそうです。創作噺。どうやってこの噺終わるのか?と思ったら…ズッコケました。

「目薬・義眼」 立川志らく 志らくさんの会にはA41枚くらいのリーフレット(今考えていることとか解説とかが載っている)が配布されることが多くて、それを読むの好きです。この二つの噺については、落語の中で二位三位を争うくだらない噺と書いてありました。ちなみに一位は「金玉医者」。 高座ではまず、熊本地震の話題に触れ、さらに2011年の大震災後の"自粛"ムードのなかで3月に予定通り独演会をやったら、客席は半分くらい埋まった。笑っている観客の中にクドカンがいて、こういう時にも人々は笑いを欲しているのだ!と思って、出来たのがドラマ「あまちゃん」とのこと。 二つ連続してやりました。「目薬」でおかみさんのお尻撫でまわすところ、可笑しかった。「義眼」で、医者が目玉をくり抜く時に麻酔しなくてもこの歌を聞けば痛くありませんから、と歌ったのが「どれみふぁそーらふぁ み れ ど」でした。意外な歌が出てきて痛くないでしょ、と。ヤマハ音楽教室ですね。

「転宅」 立川志らく 間抜けな泥棒の噺。ネタおろしだそうです。泥棒に入った先がお妾の家。実は自分も元は泥棒、今の旦那は嫌、あんたのような男らしい泥棒と夫婦になりたい、浮気しちゃだめだからと財布取られ(預かっておくと言われ)て帰る。翌日行くと、誰もいない様子。向かいの家の人に聞くと、引越して行ったよ、今に騙された男がやって来るから、町内でそいつを見てやろうと集まって覗き見している…、と事の顛末を聞かされる。2階に用心棒がいるから静かにしてと脅された話をすると、「よく見ろ、あの家は平屋だ」。その女は元は旅の義太夫語りだった。 楽しく笑いましたが、お腹が痛くなるほどは笑わなかった。

中入り

「鉄拐」(てっかい) 立川志らく (鉄拐の拐は、誘拐の拐で、手偏なんだけどなぁ、木偏になってる印刷物もありました。)(細かくてヤな奴だね。) 中国を舞台にした落語はこれだけだそうです。でも、登場する人間の名前は日本人の名前。不思議です。 上海の大店の創立記念宴席の出し物の大トリを探せと命じられた番頭が、仙境から八仙人の一人、鉄拐を連れてくる。ところで八仙人が「八千人」に聞こえたのですが、それが本来のイントネーションなのかな。たとえば「東海道」も、JR東海道新幹線の車内アナウンスが現代では多数派だけど、談志も志らくも頭を強く言う。「東海道五十三次」とつながると、よりカッコいい、あのイントネーションね。 それは、こっちへ置いといて、この噺、結構長くてストーリーもやや複雑。宴席での出し物や仙術は奇想天外。蛇を呑むカエルとか、人魚の踊り食いとか。鉄拐は、膨れた腹をなでると中からもう一人の小振りな鉄拐を出すことが出来る。出てくる時に、痩せこけた顔が赤くなり、顎がはずれ、喉の奥から手が出て、頭が出てという描写はリアルだった。合間、合間に小さい鳥が落ちました、コトリ。とか、鳩が何か落としました、ふーん(糞)とかのギャグがある。上海の寄席に出ることになり、10日連続興業では客が飽きて落ち目になり、また別の「張果老」(ちょうかろう)という仙人が連れられてくる。(このあたり、落語ファンしかわからないような言葉や言い回しが沢山だったかも。)この仙人は瓢箪から本物の馬を出すことが出来る。が、鉄拐がこっそりその馬を瓢箪から吸い出してしまい、張果老は何も出せなくなる。一方、鉄拐は馬を吸い込んだ為に詰まってもう一人の鉄拐を出せなくなる。では、代わりにお客を吸い込むことにするとこれが受ける。(そのお客たちをどうやって出すのかは触れず。)ある時、ずいぶん腹の中で暴れる客がいて苦しい。見ると「俺の馬を返せ!」と張果老が中に入っていた、でいったん終わり。大作です。これをやる人はあまりいない。生でもう二度と聴くことないかもしれません。 リーフレットに鉄拐仙人の存在感では、自分は師匠・談志に負けると書いてあったけれど、たぶんそうでしょうね。私は録音でしか談志の鉄拐を聴いていないけれど。談志のサゲは、李白陶淵明が入ってた、です。大酒呑みの中国の詩人の名前、もう身近ではないですね。 あれ?志らくが3曲歌ったのはどのあたりだったか、わからなくなりました。まず、美空ひばり「悲しい酒」のメロディで歌詞がどんぐりころころ、さだまさし防人の詩」のメロディで、まず寿限無、そして芝浜。そうか、鉄拐が寄席に出始めて、弟子志願者が来るあたりだ。 落語が終わってからも緞帳はおりず、談志のサゲの話と、5月の下町ダニーローズ『不幸の家族』の宣伝もありました。

4/17 立川流広小路寄席@お江戸上野広小路亭

初めて行きました。「寄席」初体験です。

前座 (お名前メモせず、すみません。)「道灌」と、「真田小僧」だったと思います。

蜘蛛駕籠」 立川らく人 この方は、志らくさんのホームページに二つ目昇進披露の動画がアップされているのを見たことがあるけれど、落語を聴くのは初めて。あの動画よりたくましく、おもしろかった。

「道具屋」 立川笑二 らく人さんの話では、遅刻しそうになると連絡があったそうです。何となく…「いま到着しました!」感あったかな。談笑門下の二つ目さんです。きっちりおもしろかった。

「矢橋船」(やばせぶね) 立川雲水 あとで検索すると、1988年に立川談志に入門、2009年の真打昇進までの名前は立川志雲。上方落語を演ずる、と載っていました。船の中の言葉遊びがみっちりあって、決して飽きることなく良かった。赤い色のものを三つ重ねるところで、「赤旗に、あか(赤)んべする、赤尾敏」がサイコー。でも、あまり笑ってる人がいなかったのは、赤尾敏の知名度かな。上方落語の味わいもしっかりあって、23歳まで大阪で暮らした私には懐かしかった。文字で書くと「どないもならん!」というフレーズ、好きです。

「寝床」 立川龍志 今日の落語家のなかで最年長、昭和23年生まれ、45年(1970年)、立川談志に入門、と今調べました。いわゆる志の輔以前の方ですね。おもしろいのですが、志らくのクレイジーな寝床を聴いているので、普通におもしろかった。

仲入り

「?」(「親子酒」の覚せい剤版) 立川三四楼 この方は、まず快楽亭ブラックに入門後、2005年に立川談志楼門下に移った二つ目さん。(移ったのはブラックさんが除名されたからと載ってました。) 中途半端で…つまらなかった。この方はもっと若い人には支持されてるのかしら?

長屋の花見」 立川志らべ 志らく門下の二つ目さん。普通におもしろかった。

「子ほめ」 立川志ら乃 志らく門下の真打。噺もおもしろかったけれど、断トツに声が大きくて威勢が良いのが好感持てますね。(昨年、さくら学院の「落語の公開授業」で講師した方です。)

尺八漫談 はた のぼる ご高齢。1927年3月15日生まれ。管楽器で漫談出来るの?と思いましたが、何も演奏しながら喋る必要は無いのですね。鈴は最前列のお客に振らせて。敬老精神で笑った面もあるけれど、やっぱりご立派ですよ。

「ねずみ」 立川左平次 昨年真打に昇進したばかり。立川左談次門下だそうです。じっくり語りたかっただろうし、聴きたかったけれど、演者が一人欠席になったが補充なし。では…とそれぞれが(特に前半)比較的長くしゃべった為、持ち時間15分になりました、と初めに話してました。これはかわいそう。少しばかり早口で、きっちり名工・左甚五郎にまつわる噺でした。場が引き締まった感じ。

4/5 ~志らく一門会一年間限定スペシャル~シネマ落語の会@渋谷伝承ホール

4月5日

一、落語バトル(前座、二つ目、真打、が10分ずつやって、一番良かった人の欄に客が丸を記入して投票。終演後掲示されてました。) 

「紙入れ」 立川志ら鈴 落語の歴史に詳しくないけれど、たぶん、男性がやってきた芸能なのでしょう。それを女性がやる難しさはありますね。特におかみさんのところ。色気があると邪魔なような、でも何もないとどうなのかな?とか。一番最初の切り込み方が良かった。

「ざる屋」 立川志獅丸 安定していて、おもしろい。この二つって両立しないこともありますよね。私はこの人に投票しました。

「真珠の誘惑」 立川らく朝 リーフレットに健康落語をやりますと書いてありました。60代で真打になった元・医者の異色落語家、として生きていける人なんだろうなぁ。

一、「堪忍袋」 立川志らく この噺までが、最後のマンハッタンにつながるとは!

一、「品川心中・上」 立川志らく 

仲入り

一、シネマ落語「マンハッタン」 立川志らく まず、「品川心中エピソード1」というべきサイドストーリーが1席。いったん高座から下がる予定が、「足が痺れたので」そのまま続きます。志らくさん、普段は落語なら2時間でも正座できるそうですが、体調大丈夫かな?初心者の私には普通に見えましたが。 で、「品川心中・下」の部分に入っていきます。 貸本屋の金蔵は「バカきん」とか「セコきん」とか呼ばれ、突き放した描き方をされている人だと思うのですが、ここでは純愛物語の中心人物になっていました。映画「マンハッタン」を見ていないので、映画との絡みの面白さはわかりませんでした。江戸時代の17歳は子どもなんだろうか?と思ったり。でも、最後にすべてが一つにつながる構成はすごいなと思った。 やっぱり5月も行きたくなり、チケット購入。

3/26 ギュウ農アルタ寄席 立川志らく、談笑 二人会@スタジオアルタ

3月26日

「ギュウ農フェス」第3部ということで、第2部には私の好きなベルハーことBELLRING少女ハートも出演したイベントの特別企画でした。
進行のギュウゾウ(電撃ネットワーク)さんによると、第3部は1部、2部とはかなり客層が違っていたそうです。でも、ベルハーグッズの洋服着た人もいましたよ。スタジオで落語は珍しいですね。

 

「イラサリマケー」 立川談笑 新宿を舞台にした談笑さんの噺。

「片棒」 立川談笑 一席では高座をおりられない、ともう一席。談笑ファン(談笑さんは「談笑マニア」と呼ぶのでしょうか?)はこういうのが好きなんでしょうね。アブナイ感じとか、オーバーアクションだったりするのですが、筋はそんなにハジケていないかな。前に聴いた志らくの「片棒」の強烈さの方が印象深い。

「らくだ」 立川志らく ここで「らくだ」が聴けるとは思わず、来て良かったと思いました。段々変化して行きますね。それを一番感じたのは、雨の中のらくだを回想するシーン。傘もささずに突っ立っているらくだを、皆はバカだと言うけれど、屑屋が行って聞いてみると兄貴分(らくだの弔いをやる、丁の目の半次)が風邪引いて寝込んでいて悲しいのだと。その時だけは、ほんの少し良い人なのかと思った、となっていました。その後は、サッと雨がやみ、ぬかるみに描いた兄貴分の顔が気に入ったなら買えだの、買ったのだから泥を袂に入れて持って行けだの、もう一回見たいから元に戻せだの、無茶苦茶なことを言い、聞かなければ殴る。それを見ていた子ども達が笑うのだけど、その中に屑屋の子も実は居て、周囲に合わせて悔しいけど笑っている。それがまた、屑屋にとっては悔しい。でも力の強いらくだに反撃しても、負けて殺されるのがオチだから逆らえない。ジンと来るところです。それにしても、このらくだ(らくだはあだ名で本名は馬さん)って人は、どこかに居そうな人だ。悪い奴だが気になる。私の周りにはいませんけどね。 最後、転んで樽かららくだの死骸を落としてしまい、探しに戻って酔っ払って寝ている願人坊主を拾う。焼き場に入れられてさすがに熱く、飛び出した坊主、かんかんのうを踊ってる、で終わりました。ちなみに志らくさんは、アルタに何の思い入れもなく、待ち合わせすらしたことがないそうです。葬式の噺や死人の噺で良いのかという話題、自分たちは立川流のB面(やわらかい方は志の輔談春)、B面には名曲が多いという話題は、3人の時に出ていたかな。客層に合わせて噺を変えることはないともおっしゃってました。

落語が終わってから、ギュウゾウさん含め3人がステージに立ってしばしトーク。撮影O.Kになると、みなさん携帯向けてました。最後に観客も一緒に撮影。はい、遠慮なく真っ先にステージに近づきましたよ。でも、あとから大勢来て、背の高い人の陰で写ってないかも。 15日にライヴに行って以来、現実がドーンと降って来て、私にしては久しぶりの生パフォーマンスだったので、高揚してますね。落ち着こう。